ゴルフは運動強度が低く、老若男女すべてが楽しめるスポーツです。
一般のゴルファーでは、技術の未熟さ身体の使い方の問題に起因する
外傷や障害が多くなり
中高年においては加齢変化のある部位の症状が悪化することもあります。
技術力の高いプロゴルファーやアスリートの傷害傾向は一般とは異なり
技術的には確立していると考えられますが
非対称なスイングの反復という競技特性とオーバーユースによる傷害がみられます。
※種目別スポーツ障害の診療を参考
著作者:Grand Velas Riviera Maya
〇非対称なスイングの反復
ゴルフは、クラブ(道具)を使って止まっているボールを打ち
カップにボールを入れるスポーツです。
同一方向に身体を回転させる運動(スイング)を反復させる必要があります。
そのため、使い過ぎ(オーバーユース)でも障害が引き起こされます。
〇技術的未熟
グリップの握り込み過ぎはスイングスピードを落とし
さらには上半身の連動性も損なうため
肘や肩、手首などを痛めやすくなります。
ゴルフは、様々な環境(バンカー、ラフ、傾斜角度の違いなど)で
スイングする必要があり
環境に適したスイング技術(極論をいえばどのような環境でも同じスイングが出来る)が
要求されます。
また、ボールにインパクト出来ずに
地面を叩くことが多くなるとケガをするリスクも高まります。
〇身体の使い方
身体を回転させる運動であるため、いかに身体の回旋可動域の大きな関節(部位)を
上手く使えるかが大切になります。
本来、腰部は回旋可動域の少ない部位であるため
腰部に回旋負担をかけるスイングは腰痛を引き起こします。
また、重心移動が行えないと(アドレスの問題)
身体への負担は大きくあります。
〇加齢変化
加齢とともに関節の変形、筋力の低下がみられることが自然です。
そのため、そのときの状態にあった戦略で
ゴルフを楽しむことも大切です。
60代以上では、股関節、膝関節の変形が多くみられます。
〇ゴルフのオーバーユース
トッププロになれば、スイングスピードが速くなるため
それに耐えうる筋力も必要になります。
同方向のスイングが繰り返されるため
過活動により筋肉の弾性の低下、関節拘縮などがみられるようになり
結果として、ケガに繋がります。
また、18ホール回るための栄養戦略も必要であり
上手く栄養摂取出来ないと、身体の内部環境の悪化により
筋骨格系の機能低下によるケガも起こりえます。
〇まとめ
身体を回転させる運動が繰り返される特性を考慮し
スムーズなローテーション(身体の回旋運動)が行えるかが
ゴルフでは重要な要素といえます。
とくに大切になるのは、股関節ー骨盤ー体幹部の連動性です。
これに加え、年齢、競技レベル、障害部位を考慮する必要があります。
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